二千年の港~博多港ものがたり
第43話~第46話



第43話

背景:2人は何故か女だけで遊園地。A子は大の遊園地好き、反対にB子は怖い乗り物が大の苦手・・・
早く帰りたいB子はA子に遊園地より面白いものがあることを提案するが・・・。

テーマ:第43話は博多で開催された博覧会についてのお話。よかトピアしか知らない世代が増えてきたが、昔から博多の地では博覧会が催されていました。特に港で開催された博多築港記念博覧会は大賑わいだった?

タイトル:やっぱり博多はお祭り好き!

SE:ジェットコースター音・絶叫音
A:「あ~面白かった!」
B:「面白くない!怖い乗り物ばっかり乗らないでよ!」
A:「いいじゃない!大体もう少し楽しそうな顔したら!?」
B:「あ~あ、博覧会みたいなのだったら私も燃えるんだヶどな~」
A:「博覧会!?あのよかトピアとかの博覧会?」
B:「そう、昔から博多っこは博覧会には目がないのよね~!」
A:「昔からって・・・よかトピアはそんなに昔でもないじゃない!」
B:「博多で開催された博覧会ってよかトピアだけじゃないわよ!」
A:「え~?そうなの?」
B:「そうよ!昭和11年に博多港の修築が完了して、「博多築港記念博覧会」を開催したのよ!」
A:「博多築港記念博覧会?何だか良く分からないけど、そんなイベントに人が集まって来たの?」
B:「何言ってんのよ!その当時の総予算50万円を投じて凄い規模だったらしいわよ!」
A:「何日間ぐらい開催されていたの?」
B:「昭和11年の3月25日から50日間に161万人の入場者だったらしいわ!」
A:「161万人!すごいわね・・
B:「ちなみに昭和41年に大濠で開催された「福岡大博覧会」の入場者が72日間で183万人だから博多の人の
博覧会好きは筋金入りね!」
A:「へ~・・それでよかトピアはどれぐらいの入場者だったの?!」
B:「驚く無かれ、何と171日間で822万人!この数字は地方博覧会としては驚異的ね!」
A:「博多っこの気質がそういった数字に繋がったのね!」
B:「それもあるけど、『海に開かれたアジアの交流拠点都市』をスローガンに福岡というポジションを重要視
した海外の37か国が参加してきたってことが成功の要因でもあるわね!」
A:「なるほどね~!博多っ子のお祭り好きとアジアの玄関が生んだ博覧会の名産地ってなワケね」
B:「そういうこと!ということでそろそろ帰ろうよ~」
A:「何言ってんのよ!まだまだこれから色んなパビリオンを巡るわよ~」
B:「遊園地の乗り物はパビリオンじゃな~い~!」
A:「ほら、いくわよ!(いやだってば~)」フェードアウト



第44話

背景:2人揃って休日出勤。何だか急いでいる様子のB子だがA子はあいかわらずボ~っと海を眺めています。
港に寄港している客船を見つけて話しかけるA子のセリフにB子は怒!

テーマ:第44話は近代における博多港の戦後から立ち直ったお話です?

タイトル:有休は私のために

SE:ボ~・汽笛音
A:「ねえねえ!あの豪華客船!! ステキよね~私もあんな大型客船に乗ってゆったりと旅行したいわ~」
B:「あれはシンガポール行きの船で、まもなく出港するの!それよりも仕事中よ!前向いて運転しなさいってば!」
A:「いいじゃない!夢見るぐらい!まったく乙女のささやかな望みを言うくらい・・・」
B:「大体チエは昼間っから夢見過ぎよ!何が豪華客船で旅行よ、まったく!」
A:「どうしたの?何だか今日は特にイライラしてるみたい?」
B:「ほっといて!私は大型客船を見るとイライラするタチなの!」
  「フン・・・・・」
A:「大型客船を見るとって・・・いったいどんなタチよ!もう・・・(気をとりなおしたように)ねえねえ、博多の港って昔ッからあんな大きな船が入ってきてたのかな?」
B:「チエ、港の歴史の話しをすれば私の機嫌が直るとか思って無理矢理ハナシを取り繕ったんじゃない~?」
A:「え?そ、そんなことないわよ、ね、教えてってば!」
B:「あのね、博多の港にあんな大型船が入れるようになったのは実は戦後からなの!」
(A子の心の声:フフフ・・・歴史の話しさせたら喜ぶんじゃない・・・)
A:「へ~戦後?何かキッカケがあったの?」
B:「戦争が終わって博多港は貿易港に指定されたのそれから国際港として認められて外国の海図にも記されるようになったのよ!」
A:「それで、あんな大型客船が来るようになったのね!」
B:「あのね、戦後まもなくだってのに何で世界のお金持ちが観光に博多に来るワケ?!」
A:「(A子の心の声:なによ!折角アナタの好きな話しを振ってあげたのに・・・
よ~しこうなったら不機嫌のワケを問いたださなきゃ・・・)」
A:「ねえねえ!あの豪華客船を見てから機嫌が悪くなったような気がするんだけど・・・
あの船がどうかしたの?シンガポール行きとか、やけに詳しいし・・・」
B:「関係有るわよ!私は今日あの船に乗ってシンガポールに行くハズだったんだから!」
A:「え!どういうこと!だいたいズルいな~自分だけ~」
B:「何いってんのよ!アナタは有給全部使っちゃたじゃないの!」
A:「あっ、そうか~でも何で急にキャンセルしたのよ~休んでないんだからゆっくりしてくれば良かったのに~」
B:(冷静に怒りを抑えて)「私たちは本日休みなのに何でお客様のところに行ってるんでしたかね・・・!!」
A:「すみません私の伝票ミスで謝りに行ってるからです・・・。」



第45話

背景:今日は憧れのディナークルーズ!2人はウキウキ気分で出港場所であるベイサイドへ・・
時間もあるからお茶でもしようと誘ったB子の優しさが裏目に・・。

テーマ:第45話は博多港のシンボルでもある「博多ポートタワー」がある博多パラダイスのお話です。

タイトル:憧れのナイトクルーズ!!

SE:人の雑踏
A:「私初めてなの!海の上で食事するの!」
B:「感謝しなさいよ!ディナークルーズの招待チケット手に入れたのは私なんだから!」
A:「わかってるわよ!感謝してますって!・・・」
B:「でもまだ出港までに時間あるわね!ちょっとベイサイドプレイスでお茶でもしようか!」
A:「そうね、水槽の亀でも見ながらゆっくりとね!」
B:「そんなにゆっくりしてる時間はないわよ!出港の時間に遅れたら全てパーなんだから・・」
A:「わかってるわよ、すみませ~んビールくださ~い!」
B:「もう飲むの!?船に乗るまで待てないの?」
A:「いいじゃない~ね見て!ポートタワーに電気がついたわ!キレイね~」
B:「またスグ話を誤魔化すんだから!でもホントキレイね~ね、知ってるあの博多ポートタワーの出来た頃のお話!」
A:「出来た頃って随分昔のはなしでしょ?」
B:「昭和39年だからそんなに昔でもないけど!」
B:「昭和30年代に入って、市民に開放された潤いのある港作りが今後の博多港のテーマとなったの!
そのシンボルがあの博多ポートタワーってワケ!」
A:「でも当時はタワーだけがポツンと建って、不思議な光景だっただろうね!」
B:「何いってんのよ!タワーだけじゃなくて綜合レジャー施設『博多パラダイス』という最先端のデートスポットだったのよ!タワーの設計者も、あの東京タワーを作った内藤博士という人なんだから!」
A:「へ~、東京タワーと同じ設計者なの~・・今も昔も博多港は最先端のデートスポットだったのね~」
B:「どうでもいいけどちょっと飲み過ぎなんじゃない?!!」
A:「眠くなってきちゃった・・・(チカラない)。」
B:「起きなさいよ!!もうそろそろ出港の時間よ!チエ、ねえってば!」
SE:汽笛(ボー)
男性の声:「あの、お客様、お客様」
A:「ん~何よ、人が折角気持ちよく寝てるのに・・」
男性の声:「すみません、もう閉店ですので、ちなみにお連れのお客様は2時間ほど前に出られましたが・・」
A:「お連れの?あ~!ディナークルーズ!あー、ヨシコに置いてかれた~!!うぁ~ん!(泣)



第46話

背景:海の幸が豊富な博多の夜・・・・2人は今夜も居酒屋で海の恩恵を授かり・・・。
    しかしダイエットもそろそろ考えないといけない季節です。2人の海の幸とダイエットの会話です。

テーマ:第46話は海に面した博多を語るうえでははずせない玄界灘をテーマに面した海の中道公園を舞台に展開します。

タイトル:海からの授かりもの、でもダイエット!?

SE: 居酒屋のざわめき(いらっしゃいませ~)
A:「見て!このお刺身、脂がのって美味しそ~!いただきま~す」
B:「博多の冬はほんとに海の幸が抜群よね!」
A:「フォンとね~(本当ね)」
B:「なんと言っても玄界灘の荒波にもまれたお魚だから、身の引き締まり方が違うモンね!」
A:「すみませ~ん、ふぐの唐揚げもう一人前~!」
B:「まだ食べるの!?」
A:「だって~・・冬は食がすすむんだもん!」
B:「そうやってチエはだんだんブタになる~(呪っているように低音で)!」
A:「言わないでよ~!食べたらちゃんと運動するつもりなんだから!」
B:「それなら玄海の幸で付いちゃったチエのお肉は玄界灘で落とそうか!?!」
A:「どういうこと?」
B:「玄界灘に面した運動場といえば『海の中道海浜公園』じゃない!あそこでレクレーションがてら明日スポーツでもしようよ!」
A:「海の中道海浜公園っていろいろ施設があるもんね!水族館とか観覧車とか動物の森とか・・・」
B:「遊ぶんじゃなくて、スポーツしに行くの!」
A:「あそこっていつ出来たんだっけ?」
B:「昭和56年の10月に公園の一部が開園したのがスタートなの!そもそもアメリカ軍の基地!だったところだから広いんだよね!」
A:「へ~アメリカ軍の基地だったの・・・・だから国営の海浜公園なんだ~。」
B:「そう、・・・・・海浜公園、つまり海に面した公園ね!だから身の引き締まった海の幸でついたアナタのお肉を再び引き締めるために海の公園に行こうってこと、どう?スジが通ってるでしょ!」
A:「スジが通ってンのかな~?」
B:「ぐずぐず言わないの!ほら、もうそのくらいにして今日は明日の為に帰るわよ!」
A:「え~海の中道は明日行く気~?」
B:「そうよ、善は急げって言うじゃない!この冬太らないように努力しなきゃダメよ!」
A:「よし、明日から海の中道でダイエットだ!と、その前に『志賀島で獲れたサザエの壺焼き1人前お願いしま~す!』運動するからにはスタミナつけなきゃね!!」
B:「あ~あ、今年もやっぱりダイエットは無理みたいね!」



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