二千年の港~博多港ものがたり
第47話~第50話



第47話

背景:天神に出掛けたいつもの2人は12月になって急に増えた人の多さに季節を感じてしまう・・・
そんな街中での2人の会話です。

テーマ:第47話は海と共に発展してきた博多の近代の発展とこれからの発展をウォーターフロントをテーマにしてお話しします。

タイトル:ひとつひとつの積み重ね

SE:人の雑踏
A:「12月になると天神も人がまた増えたみたい!」
B:「そうね!何だかみんな気ぜわしく見えるわね!」
A:「何たって師走っていうぐらいだから・・・」
B:「でも福岡の街もどんどん人口は増えていってるらしいから、街自体が狭くなったようにも感じるわ!」
A:「そうね、これから博多の街はどうなっていくんだろ!?」
B:「博多は海とともに発展してきたっていう歴史からやっぱり海に向かって街は発展していくんじゃない!?」
A:「海に向かってか~・・それってシーサイド百道みたいに?」
B:「そう!福岡市は1975年に人口が100万人を超えた時点で130万人都市の構想を打ち出したのよ!」
A:「130万人都市の構想?」
B:「そうよ、福岡のウォーターフロント計画はそこが起点となってるの!」
A:「まだその計画は続いているワケ?」
B:「もちろんよ!地行や百道といった臨海部に住宅地を作ったり、博多埠頭のインフラ整備を
推進したりするところから始まって、まだまだ博多のウォーターフロントは変わるわよ!」
A:「たとえば?」
B:「あなた、そんなことも知らないの!?今まで散々教えてきたじゃない!」
A:「そういわずに、ね!教えてよ」
B:「そうね~香椎のパークポート整備事業とかが最近の例かな?!」
A:「香椎のパークポート整備事業?それってどこのテーマパーク?」
B:「テーマパークじゃないわよ!テーマを持った整備事業といった点ではテーマパークと言えなくもないけどねぇ
・・・」
A:「どういうことよ!?」
B:「つまり、港湾機能を強化するとともに市民ニーズに対応したスポーツ・レクレーション施設用地の整備を
進めるといったことかな!!」
A:「へ~、それってもう出来上がったの?」
B:「まずは、コンテナターミナルの整備から始めてるってとこかな!!」
A:「なんだか国際的な交流拠点が香椎一帯で始まってるって感じね!」
B:「そうなの!そしてその計画の集大成とも言えるのがアイランドシティなの!」
A:「なるほどね~住宅、物流、レジャーが一緒になったアイランドだもんね!ひとつひとつの夢が重なって出来た夢の街ってワケね!」
B:「そういうこと!」
A:「しかし、12月だっていうのに今日は人が多いせいか、暑いわね~!」
B:「あなた一体何枚洋服着てるのよ!?」
A:「1.2.3.4.・・・え~と8枚かな?ほら積み重ねが必要だって話だったし・・洋服もね・・・!」
B:「重ねるの意味が違うでしょ!」



第48話

背景:風が冷たいシーサイド百道にたたずむ2人。なぜこの時期にいるのでしょう・・・。

テーマ:第48話は現在のシーサイド百道がいかにして出来たのか解説。
『福岡市基本構想』の4つの目標を中心に、目標に近づきつつある海の都『フクオカ』を紹介します。

タイトル:優しさの前には自立あり

SE:風の音

A:「シーサイド百道の近辺も季節が寒くなったら人もすっかり少ないわね~」
B:「でもこの博多のウォーターフロントは季節に関係なく15年間ずっと熱い情熱でいっぱいよ!」
A:「15年間ってどういうこと?」
B:「この地行と百道一帯のウォーターフロント計画は1986年に整備工事が竣工されて以来、
おなじみの福岡タワーやドームなんかがどんどん出来たってワケよ!その拡張プランは今も続いているのよ!」
A:「ふ~ん、図書館なんかもそのプランの一環なんだ!?」
B:「そういうこと!そもそもそのプランの元となったのは1987年に出された『福岡市基本構想』の4つの目標なのよ!」
A:「4つの目標って?」
B:「1つ目が『自立し優しさを共有する市民の都市』!2つ目が『自然を生かす快適生活の都市』3つ目が『海を歴史に抱いた文化都市』!
そして最後に『活力あるアジアの拠点都市』この4つを実現させる都市づくりのスタートだったのがこの百道なの!」
A:「そっか~!1986年からスタートか、だから15年間なのね」
B:「そうよ、熱い情熱を維持しながらこの4つの目標を現実にしていってるところ凄いよね!」
A:「ホントね!特に1つ目の『優しさを共有する市民の都市』ってフレーズがいいわね~」
B:「優しさってのも限界があるのよ!まったく、図書館で借りた本、今まで延滞してて恥ずかしいと思わないの!?」
A:「返却するとき恥ずかしいから今日は付き合って貰ってるんじゃない・・」
B:「付き合ってやってるワタシの身にもなってよね!」
A:「ほ、ほら、そのフレーズにあったように『優しさを共有するってくだりが・・・』」
B:「『自立し優しさを共有する市民の都市』!優しさ、ってフレーズの前に『自立し』って言葉が入ってるの!
アナタは幾つになっても自立できてないじゃない!ほんっとに!もう、さっさと行くわよ!」
SE:風の音(強)
A:「ねえ、寒いから図書館に行く前にちょっと熱いコーヒーでも飲まない?」
B:「本を返してから!(怒)アナタと付き合ってると熱い情熱じゃなくて熱い怒りがいっぱいになるわ!」
A:「いたたた・・・ちょっと~そんなに引っ張らないでよ~」(フェードアウト)



第49話

背景:今夜はクリスマス。
同僚はそそくさと帰り支度を始めていますが、いつもの2人は何だか仕事で慌ただしいようです。
特にB子は何だかイライラしてるようですが・・・。

テーマ:第49話は現代の博多港の機能を2人の会話から抽出していきます。
以外と知らない博多港の今を知っていただくためのストーリー。

タイトル:オフィスの中のクリスマス

SE:オフィス内にて遠くの声で『お疲れさまでした~』の声

A:「今夜はクリスマスか~・・残業はつらいなぁ~・・・」
B:「・・・・・・・」
A:「ねえ、ねえ、ここから見えるあの正面から見たら眼鏡みたいに見える建物って何だっけ?」
B:「博多港国際ターミナル!(無愛想に・つっけんどんに)」
A:「それって何するところ!?」
B:「国際的な船舶旅客の玄関口!」
A:「へ~随分大きい建物だけど年間の旅客数って多いんでしょうね~?」
B:「40万人!」
A:「え~!それって全国でも上位なんじゃない~?」
B:「日本一よ!」
A:「ん~と、ねえねえ、船舶旅行者の玄関は解ったんだけど、
海から運ばれる博多の物流の玄関口っていったらどこになるの?」
B:「香椎パークポートコンテナターミナルとか、いろいろ・・・」
A:「へ~それって広いんでしょうね~!?」
B:「福岡ドームがすっぽり入るわよ!!」
A:「毎日どんなものが荷揚げされてるのかな?」
B:「食品、日用品、工業製品、いろいろよ!(いらついている)」
A:「どんな国から輸送されてきてるの~?」
B:「アメリカやアジア諸国いろいろよ!」
A:「ほんっとに博多の港のこと詳しいわよね~歴史的なことから現代、未来まで分かってるんだからすごいわね~」
B:「・・・・・・・・」
A:「ね~いい加減にちゃんとお話ししてよ~」
B:「今さら猫なで声だしておべんちゃら言っても遅いわよ!」
A:「いい加減許してよ~ねっ、折角のクリスマスなんだから!」
B:「そのせっかくのクリスマスの夜にチエのミスのせいで何でワタシが後始末しなきゃならないのよ!」
A:「だから悪かったって言ってるじゃない!課長が修正作業はワタシ1人じゃまかせられないなんて言うんだもん!」
B:「課長も課長よ!ったく!」
A:「ね~!」
B:「アナタは口を動かす前に少しは手伝いなさいよ!」
A:「はいはい!今夜はワタシがおごるからさ!そろそろ機嫌なおしてよ!」
B:「当たり前よ!!よ~しサッサと終わらせてロマネ・コンティ飲んでやる!」
A:「かんべんしてよ~」
B:「手を動かしなさいってば~!」
SE:クリスマスジングル



第50話

背景:アイランドシティを眺めながら一年間の総括をする2人。

タイトル:アイランドシティで未来を考える

SE:波寄の音
A:「あ~あ、今年もあと少しでおしまいね~」
B:「ほんとね~今年一年いろいろあったわね~」
A:「ほんと!たくさんケンカもしたし、ま、来年もお手柔らかにヨロシク!」
B:「こちらこそ来年もヨロシク!」
A:「しかし目の前に広がるこの広大なアイランドシティはいつ来ても壮大ね~!」
B:「早く完成した姿を見てみたいわね!」
A:「完成したらどんな姿になるのかな~?」
B:「アイランドシティの中は住宅ゾーン、産業ゾーン、物流ゾーン、緑地ゾーンなど大きく分けられるらしいわ!」
A:「ふ~ん、何だかお堅いイメージがするわね!」
B:「でも、和白干潟の野鳥を観察できる野鳥公園なんかも出来るらしいから、新しい市民の憩いの場になることは間違いないわ!」
A:「お洒落なお店なんかも出来るのかな?」
B:「アイランドシティには21世紀の新しい住まいの提案を現実にした住宅ゾーンがあるから、
楽しいお店がたくさん出来るはずよ!」
A:「わたしもアイランドシティに引っ越そうかな!?」
B:「働く、暮らす、遊ぶ、が共存した場所だからそれもいいかも!」
A:「ねえ、アイランドシティが完成したら一緒に住まない?」
B:「何でアナタと一緒に住まなきゃなんないの?新居はステキな旦那様と暮らすに決まってるでしょ!」
A:「つれないな~!彼氏もいないくせに!」
B:「へへ~知らないってことは幸せね~!」
A:「ちょっと~それどういう意味よ!まさかワタシに黙って彼氏作ったんじゃないよね~!」
B:「・・・・・・・・」
A:「何で黙ってんのよ~!こら~!待ちなさいよ~来年の初詣一緒に行こうっていってたじゃな~い」 (A子の声フェードアウト)
SE:波寄音 BGM~
B:「わたくしB子・矢野代志子と」
A:「ワタシA子こと・ながのちえ!」
B:「一年間に渡って2人が繰り広げてきた2千年のみなといかがでしたか?
博多の地は太古から大陸との密接な関係をつづけ、アジアの玄関として今大きく羽ばたこうとしています。
アイランドシティをはじめ、未来の博多も海と仲良く発展していくことを願いながら今週、ついに最終回を迎えました!」
A:「これも皆様のご声援のお陰です!」
B:「またどこかでお会いできることを心より願っております」
A:B:「一年間、本当にありがとうございました!」


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