新説 ウサギとカメ


             
皆さんが知っている「ウサギとカメ」のお話ですが、これは昔中国から第一話だけが伝わったものです。
ご存知のとおりウサギがカメに向こうの小山までかけっこをしようと持ちかけた話です。でも途中でカメがあまりにも遅いのでウサギが昼寝をしていたら、カメが先に向こうの小山まで行ってしまったというお話でした。
カメさんの勝ち~!  です。
しかし、このお話には続きがあります。
第二話はウサギがリベンジをします。
「カメさんもう一度、向こうの小山までかけっこをしよう」と持ちかけカメさんは「いいですよ」といって再びかけっこをします。
今度はウサギは昼寝をせずに、一目散に向こうの小山まで駆け抜けました。
ウサギさんの勝ち~!  です。
そして第三話、今度はカメさんのリベンジが始まります。
「ウサギさんもう一度競争しましょう。ただし今度のコースは、私が決めますよ」と言ってカメさんとウサギさんはスタートしました。
ところが今度のコースには途中に大きな池があります。ウサギさんは泳げません。アタフタしているウサギさんを横目にカメさんは悠々と池を泳いで渡り先にゴールしました。
カメさんの勝ち~!  です。
ここでカメさんとウサギさんは、ふと思いました。なんで僕たちは相手の苦手なことをわざと取り入れて競争しているのだろう?と。
そこでカメさんとウサギさんは、一緒に協力することを思いつきました。つまり、道を走るときはウサギさんの背中にカメさんが乗って早く走り、池を渡るときはカメさんの甲羅にウサギさんが摑まってスイスイと泳ぎ、そして仲良く同時にゴールにたどり着きました。
メデタシメデタシ。ですが、これはお互いの信頼なければなりません。カメさんがウサギさんの背中に乗って走っているとき、ウサギさんが急カーブを猛スピードで曲がれば、カメさんは放り出されて大怪我をするかも知れません。またウサギさんがカメさんの甲羅に捕まって池をわたっている時に、カメさんが意地悪をして池深く潜ってしまったらウサギさんは溺れてしまいます。お互いが信頼しあうのがとても大切です。


本日めでたくご結婚をされましたお二人にお願いします。
新郎の○○くん、新譜の○○さん、どちらがカメでもウサギでもお互いに欠点があることを知りそれを理解して、いつも二人で上手にカバーして、そしてお互いが深く信頼しあって、いつまでもいつまでも人生というかけっこを進んでいってもらいたいと思います。


わたしの長男の結婚式での祝辞でした。



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